資金調達においての金融ブローカー
金融ブローカー
ブローカーと表されると怪しく思われ、距離を置きたくなるものです。
しかし、海外ではブローカーと言われる人達は、高学歴で優秀な人材が名乗れるのです。
わたしも以前、一度だけ海外の金融ブローカーにお会いしたことがあるのですが、立派な方で大手企業とベンチャー企業を繋ぎ、さらに投資家や金融機関を結び付けるお仕事をされている方でした。
企画の発案から利益発生させるスキームを全部、自らでやっているそうです。
その金融ブローカーは、自分が考え利益が生まれれば、関わった人達で利益が共有出来るとの事でした。
海外と国内の差を感じさせられた一幕でした。
こと日本では、金融ブローカーと称される方は、資金需要がある人間を融資がしてくれるところと繋げ、双方から手数料を得るという手法がほとんどです。
例えば、資金需要がC社。金融会社がZ社とします。そして、ブローカーAさん。
C社はAさんに資金需要がある旨の相談をします。
※ここで、融資が実行された場合の手数料などの取り決めを行います。
AさんはZ社に資金需要がある客がいるからと融資を実行してやって欲しい旨を伝えてきます。
※ここでAさんはZ社に対しても手数料の取り決めを行います。
Z社はCさんにコンタクトを取り、面談などを進め融資が契約実行されます。
※審査に落ちて融資がNGのケースもあります。
今回、Aさんの手数料の取り決めは融資の実行額の15%だったそうです。
融資が実行されると、Z社からAさんに連絡が入り、AさんはC社に手数料を取りに行きます。
Aさんは、Z社からも融資実行額の3%を手数料として受け取るのです。
AさんはC社とZ社を結び付けて、合計18%の手数料を得たのです。
金融ブローカーはこのような手法で手数料を受け取っていきます。
金融ブローカーに寄っては、Z社からは手数料を受け取らず、C社からその分をもらう場合もあります。
単純に、C社は借り入れた金額に対しての利息分よりも、多くの手数料を金融ブローカーに支払う形になってしまいます。
金融ブローカーが得する形になってしまいます。
もちろん、今回のケースはAさんのお陰で、Z社より融資が出たのもありますので、費用対効果を考えなければなりません。
Z社は融資をすることによりリスクを抱えるにも関わらず、法廷利息内でしか利益が発生しません。Z社よりもAさんの手数料売上が多いのは、気持ち的にどうでしょう?
この場合も、AさんがいたからC社との契約で利息という利益が生まれましたけども。。。
中小企業の事業資金の資金調達において、この様なケースは多々起こり得るのです。
また、風体が悪い方や応対が横柄な方もいるので、金融ブローカーはあまりよく思われないことがあります。
注釈:きちんとした金融ブローカーもたくさんいます。もっと低い手数料の場合もあれば、次に繋がるよう今回は無報酬でやっている金融ブローカーもいらっしゃいます。
また、金融ブローカーは様々な繋がりを持っているので、手数料欲しさに情報をあちこちに持ち歩いてしまうのです。
以前、Aさんから融資を受けたい中小企業をご紹介受けたのですが、審査を通らなかったのです。それから数日後、別の金融ブローカー Bさんから同じお客さんが紹介されました。
このように、情報が出歩く確率は高くなってしまうので、ノンバンク側としても融資をあまりしたくないと考えてしまいます。